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アート・オブ・ヴァイオリン
昨日は、発注していたCDとDVDがまとめて3枚届いた。
まずは「アート・オブ・ヴァイオリン」 20世紀を代表する名ヴァイオリニスト達の演奏が収められている。 2部構成、計2時間のボリュームで、ハイライト映像がつなげられ、イッァーク・パールマンやイヴリー・ギトリス、イダ・ヘンデル、そして現在活躍する若きヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンの解説が重ねられていく。 最初のシーンは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調をオイストラフ、スターン、フェラス、クライスラー、ミリシティン、メニューイン、グリュミオー、ハインフェッツ、エルマンそれぞれの演奏シーンを繋げていき、ヴァイオリニストによるトーンや解釈の違いなどを比較している。 映像作品ならではの企画なのだが、驚いたのはクライスラーの映像が残っていた事だ。もちろん時代としては近代の人なので、映像が残っていてもおかしくはないのだが、それにしてもクライスラーの動いている映像を見る事が出来るとは思っていなかった。 映像自体は、まだトーキーが開発される前のもののようでサイレント映像なのだが、生前に録音されていた音源が重ねられて、やはり感動してしまった。 作曲者本人の演奏している音源や映像が残っているなら、それは絶対見ておきたい。 クラシック音楽は、楽譜が絶対だと言われる。音譜はもちろん、作曲者が記した音楽記号どおりに演奏しなければならない、などと言われる。 だが、実際には演奏者がどのように解釈するかによって曲は大きく変わってくる。 作曲者の演奏が残っていれば、その曲本来の作曲意図が理解できるだろう。 もちろん、演奏者の解釈の自由はあるし、それは演奏者としてのアイデンティティーのよりどころともなるだろう。 しかし、モーツァルトやショパン、パガニーニの演奏を聴きたいし、見たいよね。エジソンが研究していたという「霊界ラジオ」があれば、彼らの演奏も聴けたのかな〜?など妄想する事もある。 ピアニストについては、そこそこ知識もあるのだが、ヴァイオリニストについての知識はほとんど無く、クライスラー、メニューイン、スターンの3人しか知らなかった。 このDVDに登場するヴァイオリニストのほとんどが鬼籍に入っており、既に伝説の域にある方ばかりで、その名演の数々を見る事が出来るのは何とも幸せな気分になれる。 3,900円とお手頃な価格でお薦めの一品です。 このシリーズには、アート・オブ・ピアノ、アート・オブ・コンダクティー、アート・オブ・シンギングがあり、アート・オブ・ピアノにはラフマニノフの映像も収められているらしいので、是非見てみたい。 #
by t_maity
| 2006-12-23 09:44
| Music
音のタイムマシーン
ここのところ、「のだめカンタービレ」や「ザ・ベストハウス1,2,3」での高額バイオリン紹介などで、クラシック音楽を聴く機会が増えていたところ、先週の日曜日のテレビ欄で「伝説のバイオリニスト」という文字を見つけ、その番組「スマステ」を見ました。
伝説のバイオリニストとは、前橋汀子さんでした。 冷戦時代のソ連に留学するなど、日本の女性バイオリニストのパイオニアとして第一線で活躍し続けてきている前橋さんのプロフィールが紹介され、生演奏もありました。 この日の特集は「世界で活躍する日本人」で前橋さんの他にもヴィヨンセのバックバンドでキーボードを弾く辻利恵さんや世界から注目される若手バイオリニストの神尾真由子さんなどが紹介されていましたが、その中で私が注目したのが世界ヴァイオリン制作コンテストで優勝した「菊田浩さん」でした。 元NHKのクラシック音楽担当のミキサーで、96年くらいからヴァイオリン制作を始め、2001年にイタリア・クレモナに移住してヴァイオリン制作をしている方だそうで、ヴァイオリン制作を始めてから10年、クレモナに移ってから5年という速さでの快挙でした。 確かな耳の持ち主が、確かな音の楽器を作っているということでしょうか。 番組終了後、例によってネットで調べてみた所、ご本人のHPを発見。 菊田ヴァイオリン工房(http://www.webalice.it/violino45/) ブログも書かれておられ、ヴァイオリンの制作過程やイタリアのプリティーなニャンコの写真などが満載で超低速ネットのデジタルディヴァイドの身にはちょっと重たいですが、更新が楽しみなブログがひとつ増えました。 ストラディヴァリウスやガルネリなどのとてつもない高額なヴィンテージ・モデルばかりが注目を集めるが、それらは数が極端に少なく、誰でも弾けるわけではない。 国際的なコンクールで優勝して、各方面からの評価を得た、ほんの一握りの人達のみに与えられる権利のようなものでしょう。 大きなコンクールに出場する前の奏者達のほとんどは「モダン」と呼ばれる新作ヴァイオリンを使う事がほとんでしょう。 菊田さん達のような素晴らしい現代の名工の制作したヴァイオリンの若々しい音もどんどん聴かせていただきたいものです。 ヴァイオリンの場合には100年くらいのモデルでもモダンと呼ばれる世界なので、20年かそこらでオールド・モデルやヴィンテージ・モデルと呼ばれるギターとは明らかに異質な世界です。(ガットギターなどでは、結構古いモデルも存在するようですが。) ヴァイオリンの善し悪しがわかるのは、100〜150年くらい経過してからで、いい楽器はその後音がどんどん良くなり、200〜300年経ってからがそのヴァイオリンの絶頂期といわれるように非常に長い時間演奏され続ける楽器ということを考えると単なる楽器というよりは、人類の財産と考えるべきものかもしれません。 菊田さんをはじめとする現代の名工達の作品が200〜300年後には、ストラディヴァリウスやガルネリのような存在になっていくのかもしれません。 ストラディヴァリウスやガルネリを購入して、ヴァイオリニストに貸与している音楽系の財団や音楽大学、博物館などは、現代の名工達の制作したヴァイオリンを購入・保存し、若いヴァイオリニストに貸与したり、授業で使ったりしながら音のコンディショニングも整えつつ、来るべき世紀に届ける計画などを立てる必要があるかもしれません。 #
by t_maity
| 2006-12-17 20:35
| Music
ヴァイオリン
1ヶ月ほど前になるが、「ザ・ベストハウス 1,2,3」で高額なヴァイオリンBest3というのをやっていた。
2、3位はストラディヴァリウスの「メシア:18億円」と「ヴィオッティ7.8億円」ともの凄い値段がついている。 1位も当然、ストラディヴァリウスだと思っていたら、なんとガルネリ・デル・ジェスでした。 もちろん、ストラディヴァリウスと2大名器といわれていることぐらいは知ってはいたのですが、ニュースなどで流れるオークションでの高額落札情報は圧倒的にストラディヴァリウスのものが多いので、その20億円という値段と合わせてちょっとした驚きでした。 しかし、そのヴァイオリンの解説で、なるほどと納得しました。 なにしろ、かのパガニーニが所有していた「カノン」でした。 パガニーニの「誰にも弾かせてはならぬ」という遺言をジェノヴァ市が守り、普段は博物館で保存されているのだが、パガニーニ国際コンクールで最年少優勝した日本の庄司沙矢香 が弾いたということで、どうやらこのコンクールの優勝者にはカノンを弾く権利が与えられるということらしい。 放送後ネットでいろいろと調べたら、サルヴァトーレ・アッカルドというヴァイオリニストがカノンを使ってレコーディングしたCDがあるという。 厳密に遺言が守られているわけではないらしい。でも、それはヴァイオリンにとっては幸せなことではないでしょうか。やはり楽器は弾いてやらないと音のコンディショニングがとれませんから。2位の「メシア」は公の場で1回も弾かれた事が無いため、信じられないような保存状態ということで、音も聞く事ができなかったのだが音の方がどのようになっているのか非常に気になります。 このアッカルドのカノン使用盤をアマゾンとHMVで検索してみたところ、HMVにありました。 輸入版で4,500円という価格は、かなり異例の高値なのだがカノンを使用していることと、105ページのブックレットやポスター(多分カノンの)が付属しているという事でこの価格となっているのでしょう。 ちょっと迷う値段なのですが、リリースされたのが95年ということで、昨今のCD事情からするといつ廃盤になってもおかしくない時期なので思い切って購入することにした。 HMVは、輸入版を3枚以上まとめ買いすると25%オフになるので、同じアッカルドの「24のカプリース」と学生時代よく聞いていて長い間探していた「ノエル・ポインター」と「ジャン・リュック・ポンティー」(どちらもJAZZ/FUSION系のエレクトリック・ヴァイオリンです)とカラヤン&ワイゼンベルグのラフマニノフピアノ協奏曲2番をまとめ買い。 5枚で8,700円だと何となく安い買い物に思えてくるのが要注意点!今月はちょっとCD買い過ぎた。 カノン使用盤は、取り寄せに時間がかかるということで、20日過ぎにならないと到着しないのだが先行して届いた「24のカプリース」を聞くと、このアッカルドという人はパガニーニの再来と言われているらしい事がよくわかる。凄まじい超絶テクニックだ! カノン盤の到着が楽しみです。 #
by t_maity
| 2006-12-17 05:33
| Music
Pistol Valve 〜Early Years!〜
アマゾンに発注していたピストル・バルブのDVDがやっと到着。
予約した時点では、発売前日の12/5到着予定となっていたんですが、実際には1週間ほど遅れての到着でした。 もしかして、もの凄く売れちゃってて在庫取り寄せとかになってるのかな? このDVDは、7/17に渋谷Club Quattroで行われたワンマンライブを収録したものですが、ライブ映像の他にも2曲のPVとインタビュー、その他お宝映像という盛りだくさんの内容で2,800円とお買い得! 10月に見たストリートライブの時にやっていなかった曲も結構ありますね。 その中で、とても気に入ってしまった曲が2曲ほど。 まずは、「Enough?」 このライブの中でもっともJAZZ色の強い曲で、イントロのベースのフレーズがかっこいい! とはいっても、ベース・ドラムはサンプリングサウンドなので、アシッドな香りも漂います。 Voは、とみぃです。ストリートライブの時はなかなか可愛い子だなと思ってたんですが、こうしてDVDでじっくりとアップの映像を見てると、唇なんかアンジェリーナ・ジョリーみたいで、なかなかセクシーですね。 歌の方もいけます。 トランペットのM-chan、サックスのCotton、とみぃとソロを回します。 3人ともなかなかいいフレーズを聞かせてくれますが、とみぃの持ってるのはいつものユーフォニウムじゃないですね。これは昔、ハーブ・アルパートが吹いてた映像をよく見ていたような気がするな。これはフリューゲルホルンかな? もう1曲は「バリスカ」 タイトルのバリスカって何?っていう感じなんですが、この曲のメインのヨーコ・Brooklynによると「アタイのバリでスカッとけ〜!コラ〜〜〜!!」ということです(笑) それにしてもバリトン・サックスってゴッツイですね〜。 迫力です。とにかくルックスがどでかくて、迫力の超低音です。 ライブで聞きたいな〜! MCも面白いですよ〜。最近、気持ちよかった事はというお題でのラム・アスカとCorinaのコメントがメチャ面白くて笑えた。 このバンドは、去年の10月結成ということで、まだ1年ちょっとのキャリアで、平均年齢19歳の音楽学校の生徒さん達で、もっと勉強してもらってこれからどんどんうまくなってほしいんですが、ステージングに関してはもう何年もやっているバンドっていう感じがします。 とにかくライブが面白いバンドなんで、ストリートライブ以外にもっとライブハウスでのライブをいっぱいやってほしいですね。 そんな彼女達のイベントが日曜日にあります。 HMV新宿SOUTH イベントスペースでDVD発売記念ミニライブがあります。 12/17(日)、開演:15:00 入場無料です。 #
by t_maity
| 2006-12-15 01:10
| Music
ラフマニノフ
ここ10年以上、あまりテレビドラマを見なくなってきている。
基本的にビデオ編集したり、DVD制作などをしているとテレビそのものを見る時間自体が無くなってしまうのだが、なかなか面白いと思える自分の趣味にあったドラマが少ないというのが大きい。 今年は、よく見たドラマが多かった方で、西遊記、時効警察、アンフェア、喰いタン、のだめカンタービレ。 5本も連続ドラマを見てたのは、本当に珍しかった。 去年は特命係長只野仁くらいで、その前はプライドくらいにまで遡るので、連続ドラマはせいぜい年に1、2本くらいしか見ないので今年は異例だった。 その中で今年最後にきた「のだめカンタービレ」 この原作マンガが話題になっていたのは去年くらいから知っていたのだが、あの絵のタッチがどうにも好きになれず、喰わず嫌いで手を出せないでいた。 「のだめ」ってどういう意味?という疑問をず〜っと引きずっていて気にはなるのだが、なかなかコミックを買って読むまでには至らない。そんな感じだったんですが、10月からフジテレビでドラマが始まるという事で、「のだめ」の語源がわかるかなと思ったのと、オンエア当日の朝の目覚ましテレビで流れた予告編が面白そうだったので、第1回目をDVDレコーダに予約録画してみました。 キャラクター設定や演出がマンガそのものというドラマは本来、あまり好きではないので普通なら2回目以降は見ないというパターンが多いのですが、はまってしまいました。 CGなんか使って、おもいっきりマンガチックな演出がされているのだが、面白いんだよね。不覚にもはまってしまいました。 結構、好きな曲の演奏シーンも多いので、毎回楽しみなってしまってます。 千秋がAオケでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏するシーンもとてもよかったんですが、この曲といえばエリック・カルメン「All By Myself」ですね。 All By Myselfは、確か1976年くらいに大ヒットし、今でもたまにカバーされる名曲のひとつで、非常に美しいメロディーと内省的な歌詞でエリック・カルメンのボーカルも素晴らしい曲です。 スライドギターの間奏が印象的ですが、2回目のサビ後のピアノが妙に短く中途半端な感じが残っていました。 ある日、某FM曲の某番組で初めてアルバムバージョンのこの曲を聞きました。 その時出ていた音楽評論家が、「いや〜、間奏でラフマニノフのピアノ協奏曲2番の第2楽章をそのまんま弾いてたね〜。ラフマニノフ弾きたくて、この曲作ったんだろうね〜」などと言っておりました。 この時からラフマニノフという名前を覚え、彼の音楽を聴くようになりました。 ところが、エリック・カルメンのこの曲の収録されたアルバムを何故か買う事ができずに、いつの間にか廃盤となり、10数年後にCDで発売された時もそれに気づかず、こちらも廃盤となっていました。 ラジオなどでは、アルバムバージョンがかかることは稀なので、長い間聞く事ができずにいました。 ネットショッピングでCDを購入するようになってからも、なかなかこのバージョンのはいったアルバムに出会えずにいたところ、のだめを見て久しぶりに聞きたくなり、ネットで検索したところ、ありました!HMVでこのオリジナルバージョンが収録されたベスト盤を発見! 即ポチしてしまいました。 ラフマニノフ本人の演奏する2、3番のCDも見つけたので、こちらも発注! それが今日配達されました。嬉しいことにアマゾンに発注していたピストルバルブのDVDもいっしょに到着! 残念ながらラフマニノフ本人のCDは、在庫切れということで引き続き取り寄せ中で、到着するまでにあと1週間ほどかかりそうです。 #
by t_maity
| 2006-12-12 22:41
| Music
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